続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
舟大垣を発して桑名に赴く
頼 山陽
蘇水遥遥海に入って流る

櫓声雁語郷愁を帯ぶ

独り天涯に在って年暮れんと欲す

一篷の風雪能州を下る
 


舟 由 良 港 に 至 る
吉村 寅太郎
首を回せば蒼茫たり浪速の城

篷窗又聴く杜鵑の声

丹心 一片人知るや否や

家郷を夢みず帝郷を夢む