続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集
ひ え つ き 哀 歌
作詩:山田 美風
作曲:伊藤 雪彦
平家の落人 霧立越えて
辿りゆく身は 上椎葉
敵も味方も 今はなく
那須の大八郎 鶴富姫に
揚葉の蝶舞う 隠れ里
屋島之浜壇ノ浦の辺
平家の末路亦憐れむに堪えたり
残党隠遁す 上椎葉
山岳深き処に 炊煙を見る
庭の山椒の木 鳴る鈴かけて
鈴の鳴るときゃ 出ておじゃれよ
一期一会は 夢まぼろしか
永久の別離に しのび泣く
愛し我が子を 胸に抱き
待てど帰らぬ 君の名呼べば
鈴の音哀しや 隠れ里