続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集
花 を 惜 し む
福沢 諭吉
半生
(
はんせい
)
の
行
(
こう
)
路
(
ろ
)
苦
(
く
)
辛
(
しん
)
の身
幾度
(
いくたび
)
か春を迎え
還
(
また
)
春を送る
節物
(
せつぶつ
)
は
怱
(
そう
)
々
(
そう
)
として
留
(
とど
)
むれども
止
(
や
)
まず
花を惜しむ人は是れ霜を
戴
(
いただ
)
くの人
晩 秋 舟 行
市川 寛斎
晴江秋静かにして遠く天を涵す
岸を夾みて霜楓晩煙に焼く
漁唱樵歌都て去り尽くす
詩を思いて人は在り夕陽の船