続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
八 月 十 五 日
大野 恵造
君よ忘れること勿れ国敗れたる日を

海覆り山崩れたる八月十五日を

同胞は声を失い唯相抱き相擁して哭けり

吾は想起す終戦の日を

新しき日本の生まれたる八月十五日を

胸奥先ず宿りしは兵火熄えたる安堵の念

噫青苔斜陽に翳りて

英霊の墳に生うる八月十五日を

老若は祷る

戦の惨禍復び招くべからずと