続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
赤 穏 義 士 を 詠 ず
磯部 賀堂
赤城 四十七の忠臣

常に力む 嘗胆と臥薪と

凛々たる壮心 熱血を吹き

紛々たる飛雪 汚塵を洗う

驚天動地 縦横に躍り

斬首 槍に懸けて 歓叫頻りなり

義士の発祥は 斯の地是なり

襟を正して追慕し 精神を敬す
赤穂の老臣
大石氏の廃宅の垂糸桜に寄題す

石川 愼齋
昔日 主人親しく手づから栽う

一株の遺愛荒台に倚る

韻は斉し靖節先生の柳

香は似たり弧山処士の梅

嬌態三春艶自ら謝す

花英千載魂何ぞ摧けん

慄然高く出ず群芳の外

清郁遠く近古に薫じ来る