吟剣詩舞漢詩集
西郷隆盛漢詩集
吉田松陰漢詩集
江 馬 細 香 漢 詩 集
『江戸漢詩選 (三) 女 流』 発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:福島 理子 ヨ リ
2008/02/14 (木) 偶 作
偶
(
ぐう
)
作
(
さく
)
江
(
え
)
馬
(
ま
)
細
(
さい
)
香
(
こう
)
吾
(
わ
)
が
年
(
とし
)
七
(
しち
)
十
(
じゅう
)
四
(
し
)
情
(
じょう
)
味
(
み
)
灰
(
はい
)
よりも
冷
(
つめ
)
たし
無
(
む
)
病
(
びょう
)
なるも
身
(
み
)
仍
(
な
)
お
痩
(
やせ
)
せたり
綿
(
めん
)
衣
(
い
)
窄
(
せま
)
く
裁
(
た
)
たんと
欲
(
ほつ
)
す
吾年七十四
情味冷於灰
無病身仍痩
衣欲窄裁
万延元年
(1860)
の作。七十四歳。
我が齢も七十四、感情もすっかり冷め果ててしまいました。
病もないのに身体は一層痩せてしまったので、今年の冬着は幅をせばめて仕立てましょう。
○情味==やさしく暖かな感情。
○冷於灰==感情や欲が冷めていること。
○身仍痩==仍は重ねてなおの意。
○綿衣==もめんの着物、または綿入れの着物。
『江戸漢詩選 (三) 女 流』 発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:福島 理子 ヨ リ