○春意==恋心。
○? (テイ) ==〜に抜きん出て、先んじての意。
○青帝==東方を治める天帝で、春をつかさどる。
○領温柔== 「趙飛燕外伝」 に、漢の成帝が趙飛燕の妹合徳と睦み、その暖かでなよなかなるを愛して 「温柔の郷」
と呼び 「吾是の郷に老いん、武皇帝に効 (ナラ) って白雲の郷を求むる能わず」
と語った。
○一連枝上・落葉==柏木が恋慕する女三の宮と、柏木に降嫁していた女二の宮は共に朱雀院の娘 (異母姉妹)
。女三の宮を恋う柏木の目には女二の宮が、見劣りし、 「もろかづら 落葉を何に 拾ひけん 名はむつましき
かざしなれども」 と歌った。女二の宮は落葉の宮と呼ばれる。
○寒暄==寒いことと暖かいこと。
○蕭蕭==草木の揺落するさま。
『源氏物語』 「若菜下」 の巻。柏木は恋しい女三の宮の形代として女二の宮を得るが、つのる思いに耐えかねてついに女三の宮の寝所に忍んで行く。その一度の逢瀬のゆえに彼は女三の宮に一層恋焦がれ、女二の宮への心は冷めて行った。
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