○娉? (ホウテイ) ==美しさ。
○遠嫌==疑いのかかるようなことやまぎらわしいことを避ける。
○軽心==軽はずみ。軽率なこと。
○眉尖==眉の先。
○一重花影==御簾に写った花の如き、女三の宮の透き影のことをいう。
○毬場==蹴鞠の場。三月 (ヤヨイ) の一日 (イチジツ)
、源氏の六条院寝殿の東おもてで公達が蹴鞠を始めていたことをいう。
○無頼==ならず者。
○狸奴==猫の別称。
○繍簾==縫い取りのある美しいすだれ。
『源氏物語』 「若菜上」 の巻。朱雀院は最愛の娘女三の宮を源氏に降嫁させた。かねてより女三の宮に心を寄せていた柏木は源氏邸での蹴鞠の場で、猫に引き上げられた御簾の奥に美しい彼女の立ち姿を垣間見た。
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