○瓠花==瓠はゆうがお。
○深巷==町の奥まった通り。夕顔の住んでいた五条のあたりを指す。
○嬋娟==あでやかな美しさ。
○一扇相思==相思は思い慕うこと。板塀の傍に咲いていた夕顔の花に目をとめた光源氏に、女は女童をつかわし、歌を記した白い扇に花をのせて源氏にたてまつらせた
○両世縁==来世までも結ばれる縁、即ち夫婦の縁。
○香燼==夕顔が物の怪におびえ頓死したことを指す。 「香消」 「断香」 は女性がやつれ衰えたり、亡くなってしまう比喩として用いられる。
○抽==草木が芽を出すこと。
○柔蔓==若くやわらかいつる。蔓は草のつる、或いはかずらなど、つるのある草。夕顔の遺児玉鬘を指す。
○纏綿==思いがまとわりついて、離れないさま。源氏は玉鬘を見つけ出し、自分の子のように引き取るが、美しい玉鬘に恋心をつのらせた。
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