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『江戸漢詩選 (三) 女 流』 発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:福島 理子 ヨ リ

2008/01/29 (火) 砂川飲賦、呈山陽先生 (一)

すな かわ みて す、さん よう せん せいてい す (一)
    さい  こう 

きょ さん ねん つねじょうかん

かさ ねて きょ はじ めてたいら らぐ

かぜしたが いてせきのぼこう よう

また しん しゅう きてべつ しょう ぜん
萵苣三年毎菅情

重看萵苣意初平

随風上席黄飛葉

復引新愁別後生
文政七年 (1824) 九月十五日の作。三十八歳。

三年前のこの砂川でご一緒にかわちさを眺めましたことが、いつも頭から離れませんでした。またそのかわちさを見ることができて、やっと心が落ち着きをとり戻しました。
風のまにまに私たちの座まで飛んできた黄色い落ち葉。きっとこれがまた次のもの思いの種となって、お別れした後に高じることでしょう

○菅情==心を支配する。
○意初平==心がやっとおさまり静まる。
○席==座席。すわる場所。また、その敷物。
○黄飛葉==秋、黄色になって飛び散る木の葉。

『江戸漢詩選 (三) 女 流』 発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:福島 理子 ヨ リ