山
房
の 夜
雨
木
下
業
廣
(?
村
) |
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林
葉
風
に飄
つて瑟
瑟
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る
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多
少
功
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化
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る山
房
夜
雨
の聲
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林葉飄風瑟瑟鳴
虚窗唯見一燈明
人闡ス少功名夢
化作山房夜雨聲 |
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語 釈 |
○林葉==林の落ち葉。
○飄風==風にひらひらと舞う。
○瑟瑟==風の音の形容。
○虚窗==何もないがらんとした部屋の窓。
○人閨=$「間。
○多少==いくばくかの。少しばかりの。この場合は自己に関することで、 「多く」 の意味には取らないほうが良い。
○化作==それに変じてしまう。
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題 意 |
秋夜山荘に雨の音を聞きながら、冲澹の思いを述べたものである。 |
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通 釈 |
林の木の葉はしきりに風に舞い、さびしい音を立てている。がらんとした部屋の窓にはただ一つ灯火があかあかとともっている。
この静寂の中に一人坐っていると、世間に出て多少の功名を求めようという夢も、すべて山荘の夜雨の声と化し、消滅してしまうのである。
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余 談 |
塵俗の表に超然たる、作者の人柄を想見することができる。 |
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