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日 本 漢 詩
『日本漢詩 新釈漢文大系』 著・猪口 篤志 発行所・明治書院 ヨ リ

2007/09/25 (火) 竹

たけ
ふじ もり たい (てん ざん )

ゆうけい せん 竿かんたけ

あい せき せつとき

てい とう きみ わら かれ

こう せつかつうつ さず
幽徑千竿竹

相依積雪時

低頭君莫笑

高節不會移
語 釈

○幽徑==奥深い小道。
○千竿==千本。
○依==よりそう。
○高節==高い節操。
○不會移== 「その節操をこれまで変えたことがない」 の意。

題 意
竹の勁節あるを喜んだもので、大節に当って奪うべからざる大丈夫の気概を寓した。
通 釈
奥深い小路に植えた千本の竹、雪の積もった時は互いに寄り添うて、じっとその重みに堪えている。
頭を垂れているといって笑ってはいけない、高い節操はまだ変えたことはないのだから。
余 説

幽径の竹を隠栖の士に、積雪の時をその艱難の際に、高節不移を大丈夫の心事にたとえ、暗に自ら比したのである。慨世の志士である天山の面目が躍如としている。

『日本漢詩 新釈漢文大系』 著・猪口 篤志 発行所・明治書院 ヨ リ