畫
竹
野
田
逸
(笛
浦
) |
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落
落
たる胸
中
の竹
一
揮
手
に應
じて成
る
湘
雲
凝
つて散
ぜず
滿
幅
秋
聲
起
る |
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語 釈 |
○落落==さっぱりとした気分。細事にとらわれない満灑な気持ちを形容していう。
○胸中竹==宋の文同 (字は与可) は笑笑先生或いは石室先生と号し、竹及び山水を画いて名声が高かった。そこで、宋の晁補之
(字は無咎) の詩に 「与可画竹時 胸中有成竹」 とある。
○一揮==ひとたび筆を揮って画をかく。
○應手成==手の動くがままに立派な画が出来上がる。
○湘雲==湘雲いえば湘水にかかる雲であるが、ここでは竹の背景として画かれたぼかしの雲。
○凝不散==こりかたまって動かないこと。
○滿幅==画幅全体。
○秋聲==さびしい秋の音。笹の葉ずれの寂しい音をさすのであろう。
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通 釈 |
爽快な胸中の成竹を筆に托し、一たびこれを揮えば、手に従って美事に苦も無くできた。湘水のほとりの雲が凝ったようにまわりを籠めて、幅全体にいかにも秋の声が起こって来そうである。
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余 説 |
他人の画竹に賛したものと思われるが、いかにも竹の滿な韻致を描き出して趣が深い。
「胸中成竹あり」 というと、普通 「胸に成算がある」 という意味に用いるが、ここは本義のままに用いてある。
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