昌
平
橋
納
涼
野
田
逸
(笛
浦
) |
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夏
雲
絮
を擘
いで月
斜
に明
かなり
細
葛
風
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んで歩
歩
輕
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點
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燈
橋
外
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籠
蟲
一
擔
秋
聲
を賣
る |
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夏雲擘絮月斜明
細葛含風歩歩輕
數點篝燈橋外市
籠蟲一擔賣秋聲 |
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語 釈 |
○夏雲擘絮==夏の白い雲が綿をちぎったように重なり合っていること。
○月斜明==月の光ガ斜めに差して明るいこと。
○細葛==細い葛の繊維で織った着物。即ちかたびら。
○篝燈==かがり火。
○橋外市==橋のたもとの夜店。夜店は漢語では夕市・夜市という。
○籠蟲==籠に入れた昆虫、鈴虫・松虫・はたおりの類。
○一擔==一人が天秤で担ぐ荷。一荷。
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通 釈 |
夏の白い雲が綿をさいたように、その裂け目から夕月が斜めに明るい光を投げている。
薄いかたびらの袖は風を含んで涼しく、歩く足どりも自然に軽い。幾個処かのかがり火があかあかと燃えて、橋畔の夜店には一荷の籠虫をならべて、早くも秋の声を売っている。
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余 説 |
昆虫の鳴き声に秋を感ずる。昆虫を売っているのを、 「売秋声」 と表現したところが面白い。一読して涼味が漂ってくるようである。
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