橋 本 左 内 漢 詩 集

「江戸漢詩選 (四) 志 士」 ヨ リ

(発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:坂田 新)

西 洋 雑 詠 (四)
電信伝来快口陳

活機全頼両条綸

自今覊客応無夢

万里雲山如比隣
西(/rp>せい (/rp>よう (/rp>ざつ (/rp>えい (四)
(/rp>でん (/rp>しん (/rp>つた(/rp> たりて(/rp>こう (/rp>ちん(/rp>はや
(/rp>かつ (/rp> (/rp>すべ(/rp>(/rp>りょう (/rp>じょう(/rp>いと
(/rp> (/rp>こん (/rp> (/rp>かく (/rp>まさ(/rp>ゆめ むこと(/rp> かるべし
(/rp>ばん (/rp>(/rp>うん (/rp>ざん (/rp> (/rp>りん(/rp>ごと

電信によって言葉が伝えられてきて、口で述べたことを直ちに聞くことが出来る。この生き生きとした働きは、すべて二本の電線によるものだ。
これからは、遠く旅にある者も故郷を夢見る必要はない。遥か彼方のふるさとの山も、まるですぐ隣にあるようなものだから。

口陳== 『漢書』 張延寿伝に 「至誠を口陳す」。  活機==生き生きと働く機能。
自今==今から。   覊客==旅人。
雲山==はるかな遠い山。   如比隣==比も隣も、となり。