橋 本 左 内 漢 詩 集

「江戸漢詩選 (四) 志 士」 ヨ リ

(発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:坂田 新)

西 洋 雑 詠 (二)
藝貴精通器貴新

源源本本務帰真

明人浮薄宋人拘

敦厚応比漢代民
西(/rp>せい (/rp>よう (/rp>ざつ (/rp>えい (二)
(/rp>げい(/rp>せい (/rp>つう(/rp>たつと(/rp>うつわ(/rp>しん(/rp>たつと
(/rp>げん (/rp>げん (/rp>ほん (/rp>ほん (/rp>つと めて(/rp>しん(/rp>
(/rp>みん (/rp>ひと(/rp> (/rp>はく (/rp>そう (/rp>ひと(/rp>こう
(/rp>とん (/rp>こう (/rp>まさ(/rp> すべし(/rp>かん (/rp>だい(/rp>たみ

西洋では技術に精通すりことと機器の新しさが貴ばれる。しかも、根本的な道理を探求して真理を求める態度がある。
中国で比較をすれば、明代の人々は浮ついていて軽薄、宋代はとらわれて頑なである。かの温厚篤実なる漢代の人々ならば西洋人に匹敵するかも知れない。

源源本本==物事の根本にまでさかのぼって考えること。
帰真==偽りを棄てて本来の正しいあり方に帰ることだが、ここでは真理を帰納する意味に用いていよう。
拘==物事にとらわれ融通のきかぬこと。
敦厚==人情に厚く篤実なこと。