秋
夜 病
中 、子
文 来
訪 す。 因
りて賦 す。
| 燕
去 り鴻
来 たり、秋
正 に深
し 病
躯 早
くも已 に寒
の侵 すを覚
ゆ 愧
ず 他 の蟋
蟀 の 性
尤も怯にして
尚 お凄
風 冷
露 に耐 えて吟
ずるに | | |
秋夜病中、子文来訪、因賦
| 燕去鴻来秋正深
病躯早已覚寒侵 愧他蟋蟀性尤怯 尚耐凄風冷露吟 | |
嘉永三、四年 (1850、1851)
頃の作。十七、八歳。適塾に在学中の作。 子文は鈴木蓼処 (リョウショ) 。福井藩士で、名は魯。後に左内が藩校明道館の学監時代、句読師
(クトウシ) に任用された。森春濤門下の詩人として知られる。明治十一年 (1878)
没、四十八歳。 賦は、詩を作ること。 | |