「江戸漢詩選 (四) 志 士」 ヨ リ
天保十五年 (1844) の作。三十九歳。江戸で蟄居中の、菊池容斎の描いた龍の図に書きつけた詩。菊池容斎は、狩野派に学んで歴史画を得意とした江戸の画家で、勤皇家としても知られた。明治十一年 (1878) 没、九十一歳。しばしば俗吏に妨げられ、ついには逼塞を余儀なくされた東湖自身の感懐を龍の画に寄せたものであろう。