藤 田 東 湖 漢 詩 集

「江戸漢詩選 (四) 志 士」 ヨ リ

(発行所:岩波書店 発行者:安江 良介 注者:坂田 新)


(/rp>しん (/rp>しゅう (/rp>たれ(/rp>くん (/rp>りん せる
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(/rp> として(/rp> (/rp>りゅう (/rp> くんばあらざるも
(/rp>せい (/rp> (/rp>とき(/rp>ひかり(/rp>はな
神州孰君臨
万古仰天皇
皇風洽六合
明徳r太陽
不世無汚隆
正気時放光

この日本には誰が君臨しているのか。それは、古来永遠に天皇を主君と仰いできたのであった。
天皇による教化は天地四方にあまねく行きわたり、そのすぐれたコは太陽にもひとしい。
それでも時代によって世が栄えたり衰えたりしたことも無いではないが、正気がその時々に顕現して光を放つのであった。

万古==昔から、いつまでも。
皇風==天皇による徳育教化。その人民への感化が風の草をなびかせることにたとえる。
洽六合==洽は、広く行きわたること。六合は、東西南北に天地 (上下) で、空間的な全世界を意味する。
明徳== 『大学』 冒頭に 「大学の道は明徳を明らかにするに在り」 とあり、ここでは天子のすぐれた教化のコ。
汚隆== 「神州の汚隆」 と、本詩の序に用いられている。